「アバター」 こんな映画を観た:10

今回は若干ネタバレです。ストーリーはともかく、映像は書いてもうまく伝わらないから、、、まあ、いいでしょう。。

新時代映画の幕開け。


 こういう映画はきっと、普通のスクリーンではだめだろうと思い、いつもレイトショーしか観ない自分も、奮発して3D版を見ることに。そして、字幕を気にしてたらすばらしい映像を見逃してしまうと思い(英語がわかればいいんだけどねぇ~(-_-;))、吹き替え版で観ることに。結果として、これは正解でした。

字幕なし版でいい感じの予告編があったのでこちらで。映像をお楽しみください。

ストーリーは単純だが。

 時は22世紀。戦争中のケガで車椅子での生活を余儀なくされた元海兵隊員のジェイクのもとに、地球から5光年離れた衛星「パンドラ」でのプロジェクトへの参加要請が届いた。それは、貴重な鉱石を採掘するため、先住民「ナヴィ」を立ち退かせるというものだった。人間とナヴィの遺伝子を組み合わせた肉体「アバター」に人間の意識を送り込んで、ナヴィと交渉するというこの計画には、ジェイクの双子の兄が参加していた。しかし、彼が不慮の死を遂げたため、同じDNAを持つジェイクに要請が来たのだった・・・。

 ストーリーは単純。「現代人」VS「先住民族」という図式。地球は荒れ果ててしまい、資源も枯渇。パンドラでは、その資源問題を解決する鉱石「アンオブタニウム」が存在し、地球の企業が傭兵たちを使い、それを採掘しようとするのだが、空気は地球人にとっては有害。パンドラの生物たちは獰猛。先住民族も手強い。

 そこで、軍事力で力技でねじ伏せる前に、「アバター」を使ってナヴィを手なずけようとするが、結局、ナヴィたちは現代人の持ってくるものにも興味がなく、その土地と深く結びついている。 そこでやっぱり軍事力の出番となる。

 主人公ジェイクもその土地に深く結びつくナヴィたちに徐々に理解を示すようになり、完全にナヴィ側になってしまう。人間に戻った時のギャップに苦しむジェイク。そこで地球人との葛藤が始まる。

 ストーリーの結論は、自分の場合、めったにないことだが、今回は単純なので観る前にわかってしまった。「あっと驚く結末」はなく、映画全体の「あっと驚く映像美・臨場感」を楽しむ映画。キャメロン監督の「タイタニック」ほど結末は予想できるわけではないけど。。。。

 「観るのではない、そこにいるのだ」

 惑星「パンドラ」には平均足が6本以上ある動物が、しかも獰猛なやつがたくさん。 それとは別に先住民族たちが乗る馬的な乗り物や、翼竜的な乗り物とは、ナヴィの後頭部にあるしっぽのようなものの先端でリンクし、操る。夜になると光輝く植物。「観るのではない、そこにいるのだ」というキャッチコピーどおり、自分も先住民族になったような、ナヴィたちと同じ目線で迫るストーリー。2時間40分の長さを感じさせない展開。 観終わって家に戻ってからも、あの映像のふわふわした感覚は残っていました。

 これからの映画の新しい技術。


 俳優は「パフォーマンスキャプチャー」という技術によってデジタル化され、演者の演技が、表情がそのままアバターやナヴィたちの動きに反映される。前回観た「クリスマス・キャロル」もそうだが、「3D」と「パフォーマンス・キャプチャー」がこれからの映画の新しい柱になってゆくのでしょう。

 主人公:ジェイクは「ターミネーター4」のサム・ワージントン。アバター研究の博士は「エイリアン」シリーズのシガーニー・ウィーバー

 監督は「タイタニック」のジェームス・キャメロン。自分的には「アビス」や「エイリアン2」や「ターミネーター2」の方が好きだが、、、最近の映画はリメイクやマンガ、小説の映画化というのが結構多いが、キャメロン監督はまったくのオリジナルで、こんなクリーチャーたちや物語を一人の人間の頭の中で描けるというのがすごい。

 映画は監督で、だいたいの「雰囲気」が決まってしまう。キャメロン監督の場合は「大味」でしかも「緻密」なイメージ。スケールのデカさと同時に細部まで徹底的にこだわる。ただド派手なだけではないイメージの監督。この映画もやはりそのセンは踏襲しており、構想から14年かけただけある。

 3Dメガネが難点・・・?

 この映画の難点といえば、、、主人公が青くてキモイとか、機械ばっかりの戦争映画はニガテ・・・という人たちでしょうか。自分的には青い人たちは、周囲の映像美とともに、あんまり気にならなくなりました。もともとメカは大好きなので、これは問題なし。

 それから3Dメガネはちょっと慣れが必要かも。そもそもメガネが必要な自分にとって、その上にさらに3Dメガネをどうやってかけようか、映画が始まる前にちょっと試しながらの鑑賞。結局自分のメガネの上フレームに、3Dメガネを引っかけるという手段をとる。ノーメガネの人は3Dメガネの「つる」で側頭部をはさむ感じがいいのでしょうか。これから3D映画が普及するには、これをどう克服するのが重要。

 3Dの臨場感はバツグン。予告編の「アリス・イン・ザ・ワンダーランド」も3Dなので、3D映像が始まったとたん、観客から「お~」と小さく歓声が上がる。自分的には若干くらくらするくらいで・・・。あと、前列の人の後頭部がスクリーンにかぶると、3Dも興ざめしてしまうので注意。

2009年の映画。