「SPACE BATTLESHIP ヤマト」  こんな映画を観た:23

 あの有名アニメ、「宇宙戦艦ヤマト」の実写化。

 私は、宇宙戦艦ヤマトは一切観たことないので、その辺の思い入れは全くの「ゼロ」。

 なので、日本発のスペースオペラを観た感想になります。どうしてもスターウォーズスタートレックが対比として頭の中に浮かんでしまいます。

 でも日本人ならたぶん「ヤマト」という言葉に、何かやってくれそうな期待感を思わずにはいられないのでは?と思います。そして、日本のVFX技術はどんなもんなのかな?と思い、観てみました。

 監督は「ALWAYS 三丁目の夕日」の山崎氏。スタッフロールに「監督・VFX 山崎貴」と書いてあるので、VFXには絶対のこだわりがあるよう。

 そういえば、山崎監督は以前、スターウォーズの特番に出ていて、SWについて熱く語っていたのを思い出した。きっと日本のSWを!と思って作業していたことでしょう。

 アニメのヤマトの船の造形はCGで完全再現。見事です。やっぱ雲間(だったかな?)から船体がせりあがってくるシーンや、波動砲のシーンは「おお~」と思う。主砲の砲撃シーンや戦闘機たちの動きもよい。3Dで観てみたかった。

 敵のガミラス軍団は全体的に有機的・エイリアン的なデザインなので、ヤマトたちと区別しやすい。戦闘機はカブトガニみたいだし、ガミラス人?はリトルグレイのようですが、それはそれでいいと思う。大量の戦闘機や大量のガミラス人もバッチリ描けてる感じ。ワープ航法の描き方も、同様のSFでいろいろ見かけますが、あれはあれでいいんじゃないでしょうか。

 それから、古代進の相棒:端末の「アナライザー」はiPhoneなどのスマホを模してる感じだが、古代とのやりとりは好き。アナライザーが戦闘機のソケットに挿入されたあとは、赤いR2-D2みたいだけど・・・動きはGOOD。原作はどんなんだろ?そしてその後の活躍シーンも泣かせる。



 それと比べてヤマトの艦内がなんというか、ヤマト自体が70~80年代のアニメなので、レトロSFみたいな感じですが、宇宙空間のVFXの凄さに比べると、見劣りを感じてしまう。それ以前に何となく固定カメラばっかで何だかTVドラマみたい・・・。

 ストーリーはもともと原作があるので、イスカンダルへ行って帰ってくるのが大前提としてあるので、ラストも何となくわかってしまうのだが、これはこれでしょうがない。「行き」と「帰り」に割く時間が違いすぎるが、途中で敵が出てこないようにしてるからつじつまは合うのかな?

 人物描写に関しては、古代進の葛藤がメイン。指揮官として危機的局面をどう決断するか。が印象的だったが、若干とってつけた感もあり。

 それにしても、クルーが若者ばっかで、地球の一大事なのに大丈夫なの?原作がそうなの?  特に、喜ぶ時に両手をグーにして口に添えるようなしぐさをしてる女の子クルーがメインデッキにいてつとまるの?そしてクルーの一体感が逆に何だかアレな感じ。

 そして主題歌はなんと、スティーブン・タイラーエアロスミス名義でなく、ソロ名義で楽曲を提供。海外向けも視野に入れてるだけあって、豪華ですが、S・タイラー(≒エアロスミス)+SF映画=アルマゲドン っぽくなってしまう気が・・・。

 2部作か3部作で観てみたいと思った。

2010年の映画。