「8月の鯨」(字幕) こんな映画を観た:118

ほぼ「無風」のストーリーを味わう楽しみ

8kujira3

ざっくりストーリー

 夏はメーン州にある別荘で過ごす老姉妹。姉は目を悪くして妹の世話になっている。

 そんな二人が過ごす、とある夏の2〜3日。

感想

 主人公の老姉妹の女優さんがどのくらい高名なかたのか存じ上げないが、あの歳(当時93歳と79歳!!)まで演技を続ける情熱に感心。その歳でないとできない演技というのもあるだろう。役者というのは奥深い。

 正直、まだ私は老人ではないので、映画全体の、のんびりまったりムードには退屈を感じた。だがこういう性質の映画なのでそういうもんだから。合う合わないはある。正直、途中、眠くなってしまった。

 老姉妹を初め、登場人物は数名でほぼ全員が老人という、閉じられた世界。

 姉が目が不自由で、そのせいか毒舌気味。妹はイラつきながらもそれなりに接している。近い同士ならではの遠慮なさ、心の近さ。ストレートに想いを伝えられないもどかしさ。後半では姉の心境にも変化。やってくる客たちとの細かなやりとり。ある日の午前中、姉妹とティシャとマラノフ氏の会話、夜の姉妹とマラノフ氏の食事会の会話。たわいもない会話がこの作品の醍醐味。

 そういうほんのちょっとした心の機微を味わうことができるかどうかで、この映画を楽しめるか関わって来るのでは。

 若い頃の役でBTTF3のメアリー・スティーンバージェンが出ていた。

1987年の映画。

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