アートの夏 Vol.2  堺市立文化館 アルフォンス・ミュシャ館「アール・ヌーヴォーとアール・デコのポスター展」

 大阪に行く目的はいくつかあって、本来の目的は別にあったのですが、ここも行きたい場所だったので行ってきました。

 堺市立文化館「アルフォンス・ミュシャ館」何でこの美術館を知ったのか。たぶん以前ミュシャのことをネットで調べていて、とあるブログか何かのリンクにあったはず。それを知って、大阪行く時にぜひ行ってみようと思い立ちました。あ・・・私は関東住まいです。

 大阪もほとんど行ったこともなければ、その堺市なんで大阪市との位置関係もわからん。でも調べてみると本来の目的地とそう離れていない。じゃあ行ってみますかって感じです。

 日本でもここしかない(←たぶん)ミュシャ専門館ですが、今展示中のテーマは「アール・ヌーヴォーとアール・デコのポスター展」だそうで、ミュシャ専門の展覧会ではない模様。今月頭に行った、ミュシャ展が今現在「所蔵:堺市」と書いてあるものがいっぱいあったので、大半の作品が出張中なのか?ミュシャはどんだけあるんだろうか?でもあまり知らないけど気になるウジェーヌ・グラッセも展示されてたらいいな。といろいろ考えながら、大阪環状線天王寺駅から阪和線に乗り換え、堺市駅ほど近くの堺市文化会館にたどりつきました。

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チケットの半券とミュシャ館のパンフと今回の展示のチラシ。
 

 ところで・・・「アール・ヌーボー」と「アール・デコ」ってどう違うの?と思いますが、美術を専門的に学んだことの「ない」自分なりにざっくり解釈するならば、「アール・ヌーボー」はアートとして、様式美はすばらしいですがあまり実用的ではない、その後に揺り戻しとしてもう少し実用的な「アール・デコ」が来た。という感じ?それは違うんじゃね?とおっしゃるかたもいらっしゃるかも知れませんが勝手に思ってるだけなのでご容赦くださいm(_ _)m

館内へ

 受付は2Fで、そこでグッズも売っているようです。館内へ入ってみると、いきなり巨大な「桜草」と「羽」のタペストリーが飾ってある。さすがミュシャ専門館。これだけでもうれしい。この2点を見るだけなら展示室へ入る必要がないので、タダで見れます(笑)

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左「桜草」・右「羽」です。「羽」の耳あて柄のヘッドホンがあったら絶対買うのに(笑)

 そしてチケットを買い、ギャラリーがある4Fへ。ここでもまた巨大タペストリーがお出迎え(作品名忘れた・・・この辺がまだ知識が足らん証拠。)

まずアールヌーボー側から、

 館内は、まず時系列的に「アール・ヌーボー」側の作家ごとに展示。正直あまりミュシャ以外は知らないですが、ウジェーヌ・グラッセは以前見て、いいな。と思っていたので、また出会えてよかったです。

 そして「アール・ヌーボー側」のリーダー(?)はもちろん、アルフォンス・ミュシャです。これが観たいから来たのです・・・おお!「椿姫」がある~感動(T T)ちょっと色あせてて、ピンの跡もあってちょっとくだびれてるけど、まぎれもない本物・・・ほぼ等身大のポスター。

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これが「椿姫」、マイ・ポストカードより、でも今は諸事情により手元にない・・・(T-T)

 以前見た美術展で初めて見かけ、三鷹で観た展覧会では「椿姫」は展示されてなかったので、これはうれしい!観客がちらほらなので、しかもその時は私しかおらず、そのポスターと1対1のご対面。何もさえぎるものがない、超至福な空間。真正面で5分正対していても(絵画を眺めるのに5分は結構な時間だと思う)、鼻先が付きそうなくらい近づいても誰も文句を言いません。その場で体育座りでずっと眺めていたかったですが、さすがに座るのはやめました(笑)

 それからモナコモンテカルロやJOBや四つの時の流れシリーズ(か何かの連作)のものや、デッサンの見本の作品とか(情報に乏しいので、表現が雑・・・。)

 そして、パリ万国博覧会で展示された「ラ・ナチュール」という彫刻も。ミュシャって彫刻もやってたんだ。・・・あとから知りましたが、「黄道十二宮」の女性の立体化だったのね。なるほど~。

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今回買ったグッズより。またクリアファイルです(笑)今回展示されてなかったけど、これが「黄道十二宮」・・・の女性が立体化したのが「ラ・ナチュール」

 って当たり前ですが館のHPで見かけたのがいろいろありましたね。このウミロフミラー見たかったなぁ・・・。まあ、「ポスター展」だからあるわけないんですけどね・・・。

そしてアールデコへ。

 で「アールデコ」の展示へ。すいません。アールデコはもっとわかりませんし作家も知りません・・・アールデコ三銃士(コラン、ルーポ、カルリュ、カッサンドル)と呼ばれる作家たちが展示されてました。あとロートレックは聞いたことあるかな?

 いろいろ見比べてみると、現代に近いアールデコのポスターの方がやはり今のポスターに近い。商品を全面に押し出したり、女性・子どもを用いたり、迫力・訴求力が強い感じ。

 一方、アールヌーボーのポスターはイメージ戦略というか、商品がぜんぜん全面に出てこず、何の商品かよくわからないくらいの時もある。ただ、商品のイメージアップ度はバツグンだし、そのポスターがただ飾っておきたい、「アート」として成立している。という印象を受けました。どっちが優れているとかでなく、それぞれの特長があります。

 アールデコのポスターは現代に近い分、逆にレトロなポスターという印象。アールヌーボーのポスターはさらに古いので、逆に一周して時代を超越した何かを感じます。

 入館料たったの500円。なんという安さ。そして入場者の少なさ。入場者の少なさは館的にはアレだと思いますが・・・見る側にとっては最高。それぞれの作品をじっくり見ることができました。遠方から来たので、次いつ来られるかわかりませんが、大阪に行った時はまた来たいと思いました。次はちゃんとミュシャを主題テーマにした展覧会で(笑)

 でも「椿姫」を見れただけでも行ったかいがあります。最後に椿姫の前まで戻ってもう一度ゆっくり眺めてから立ち去りました。またどこかで会おう!

 ミュシャと同じ時代を生きた与謝野晶子館も別のフロアで展示されていましたが、時間がなく、次の目的地に向かいました。

 思わぬ出会いから、他の目的があったとはいえ、わざわざ大阪まで観に行くほどミュシャの作品が気に入りました。ここをきっかけにもう少し「アート」関連の趣味の幅が広がればいいなと思いました。

 おわり。