ストーリーは単純。前作のオマージュもあり。
時は現代。前作のストーリーの数年後、主人公のサム・
フリンの父親ケヴィン・フリンが謎の失踪を遂げる。
その父親が代表をしていたエンコム社(
今で言う
マイクロソフトやグーグル的な会社)
は他の人に乗っ取られていた。だが株主はサム。
エンコム12というOSを発表しようとしていたエンコムは、
今まで無料のOSを発表していたが、エンコム12は有料にして儲けるらしい。要は悪だくみ的な。
それをよく思わないサムはエンコムに忍び込んで、
エンコム12を世界に無料配信してしまう。
エンコムに潜入する時の重い扉は前作でも使われていた。
エンコム12の開発者は前作の悪者だった
デリンジャーの息子。
当時ケヴィンの仲間だった現在もエンコムの社員、アランのもとにポケベルに連絡が入る。
今の若者にはポケベルなんてわからんだろ!って思うが、
知ってる者にとっては、それが逆に時の流れを感じさせる。「
ポケベルが鳴らなくて」なんて曲を思い出した。余談です。
本当に初期のポケベルは、数字を何文字かしか連絡できず。
その連絡のあった番号は、
かつてケヴィンが経営していたゲーセンの電話番号。今は閉館。
サムかそのゲーセンに行ってみると、
ケヴィンの隠し部屋が見つかる。その端末をいじっていると…
物質転換装置によって、
サムはデジタルの世界に転送されてしまう。
(その現世までは2Dで、デジタル世界になってから3Dでストーリーが展開されます)
前作でもあった、漢字の「門」のような形の乗り物に捕まるサム。
そして背中に「ディスク(記憶装置兼武器)を付けられ、
いきなりそのディスクを投げあう対戦ゲームに参加させられる。
このデジタル世界では「プログラム」
ソフトが人間の形をしていて、いろいろ動き回っている。
作った本人(現世の人間)は「ユーザー」と呼ばれている。
パソコン的な言い回しがこの映画の特徴。
そこで現れるのが、ケヴィンが作ったプログラム。名前はクルー。
外見は若い30代のケヴィン。デジタル世界のリーダーになっていた。
ユーザーを敵視し、なにか企んでいる様子。
サムは、
ライトサイクルというバイクを操る団体ゲームでクルーたちと戦う
ことに。
そのさなか、謎の美女が現れ、
クルーにやられそうになるサムを連れて脱走。
逃げた先には年
老いた本物のケヴィンがいた。
そこでケヴィンが失踪した理由を聞かされることになる。
CGはすんばらしいか、3D映画の意義は何だろう。
冒頭の、
ビルの合間をヒューンと飛んでいく3D映像でまずゾクゾクする。
一応ディズニー映画なので、ディズニーロゴも3DCGに。
ライトサイクルのバトルは、
ステージが二層構造になっており、前作より複雑さを増している。
その二層ステージを使ってのライトサイクルバトルの3DCGがす
ばらしい。ちょっと3D酔いした(笑)。
ライトサイクルへの変身シーンもスローモーションで魅せる。
カッチョイイ。
この映画のBGM担当、デジタルミュージックの雄、
ダフトパンクもちらっと出ていたが、
あまり知らないけれど、
普段からサイバーなメットをかぶって活動しているようなので、
映画に合いまくり(笑)もちろん音楽もぴったり。
でも中盤のデジタル世界を説明するくだりが長くて、
若干ダレてしまった。
そして終盤のライトジェットとのバトルは、
ライトサイクルバトルの二番煎じなので、
楽しいけど興奮は少ない。
デジタル世界の色調をあえてフルカラーにせず、黒とブルー。
黒とオレンジにまとめたのは、
前作の世界観を保つ意味合いもあるでしょうし、
とてもスタイリッシュ。フルカラーにしてしまったら、
こんな
SF映画、どこにでもあるでしょう。
ケヴィン役のジェフ・ブリッジズは、前作での主人公。
今は60歳くらい。クルーや回想シーンのケヴィンは30代の顔。
それをそっくりさんを立てるわけでもなく、特殊メイクでもなく、
CG技術で若返らせて描いてるとのこと。後から知ったが、
恐らくこの映画で一番すごいCG技術は、
それなんじゃあないかと思う。後から思い出してみれば、
なんとなく不自然に見えないこともないが、でも全くわからん。
すごい時代だ。
前作を知ってる人も懐かしく観ることが
先にも書いたが、前作の世界はいろいろ引き継いでいて、
サムがエンコムに潜入する重い扉のくだりは前作とあえて同じ。
前作の悪者
デリンジャーの息子がエンコムにいたり、
ケヴィンのゲーセンは埃はかぶっているがそっくりそのまま。前作でケヴィンと共に戦ったプログラム「トロン」もいたり、「
続編感」はしっかり出ている。
ストーリーはハリウッド映画ではよくある、「ファーザー アンド サン(父親と息子)」の物語。主に3DCGを楽しむ映画でしょう。
でもこのテの物語って、
必ず人間の実社会を乗っとろうとする敵がいて、人間は情緒的、
デジタルは非情緒的。という構図はいささか飽きた気もする。
こちらが前作です。このCGでも当時は最先端・・・。2010年の映画。