アートの冬2011 Vol.1 香川県立東山魁夷せとうち美術館

 四国旅行で香川県東山魁夷せとうち美術館へ。

 東山魁夷(ひがしやまかいい)はアートに詳しい人なら誰でも知っている、超有名な日本画家。 正直、日本画家は私はよく知らないんですが(洋画家だって決して知っているわけではないけれど)、テレビでの画伯の美術館紹介を観ていて気になり、たまたま香川方面へ行く機会があり、訪れてみました。香川は美術館も多く、アートな県です。

 場所は瀬戸内海に面する場所。ここは埋め立て地だそうです。

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エントランス。

 東山魁夷は主に風景を描いた現代の画家。今の展覧会テーマでは、主にリトグラフ(≒版画)や木版画が展示されていました。展示室は2フロア。サイズは大きくはないですが、その分ひとつひとつをじっくりと作品を堪能できました。

 敷地全体は公園施設になっており、美術館はそのひとつ。建物の外は人っ子一人いなかったのですが、中に入るとどこから湧いてきたのか(失礼だろ!)結構なひとだかりでした。入館料も300円と、かなり抑えめの設定になっているせいでしょう。

 2階は木版画の版木の制作過程と、デジタルギャラリーでの展示。版木の紹介で、魁夷の木版画の作品の制作工程が観られます。

 「彫り師」と呼ばれるかたがたが、版木を製作します。版木は1色1枚なので、一つの作品に対して何十個も版木が必要で、そして「摺り師」のかたがたがその版木を使って作品として仕上げる。とにかくものすごい手間がかかります。その緻密なひとつひとつの作業によってすばらしい作品ができる。どんな仕事でも早いに越したことはないですが、本当にピラミッドの頂点になるような仕事は、やはり手間がかかり、手抜きなど一切ないもんだと思いました。

 デジタルギャラリーは5M角くらいの巨大スクリーンで魁夷の作品を観ることができます。たぶんほぼ全てを網羅してるらしく、この美術館にない作品も観ることができるので、とてもありがたいです。ただ、スクリーンの発色がよくないので、せっかく素晴らしい作品群がちょっともやっとした感じに・・・うむ。

 シメは「白馬の森」が階段の途中にあって、何となく観る感じでした。もうすこし近くで観たかったな~。でも観れてよかったです。

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 そして、予想外に素晴らしかったのが、カフェ・ラウンジ。

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 瀬戸内海の景色が一気に見渡せる、魁夷の作品に勝るとも劣らない風景を一望にできます。魁夷が色のアドバイスをした瀬戸大橋と、魁夷の祖父が生まれ育った櫃石島(ひついしじま)が観ることができます。偶然、晴れていて眺望が素晴らしかったです。これはすごい。ここまで乗ってきたタクシーのおっちゃんが勧めるのも納得。

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すばらしかったので、もう1枚載せたった( ̄∀ ̄)

 ず~っと眺めていたかったのですが、その後の予定もあり、そそくさと退散しました。

 ・・・とその前に、美術館に行ったら、恒例のグッズコーナー♪

 クリアファイルとポストカードを買いました。

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美術館グッズの定番は、ポストカードとクリアファイル。左の真っ黒なのもミニクリアファイルです。

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 魁夷初心者の私は風景画はあんまり興味がなかったんですが、作品自体はとてもシンプルだけど、奥深い、だれでも描けるようで逆に書けない。そんな印象を受けます。素晴らしい絵は、観ているとどんどん絵に惹きこまれるというか。そんな感じ。ただやはり「奥行感」がものすごいです。平面の絵なのに、吸い込まれるような奥行感。

 そして作品タイトルもカッコイイと思う。例えば「春兆」。英語名だと「Signs of Spring」。和文でも英文でもカッコイイ。和文はいのうえようすいさんの曲のタイトルのよう、英文はレッドツェッペリンの曲のタイトルのよう。 

 姉妹館というか、魁夷専門の美術館は各地にあるようで、長野の善光寺の近くや、千葉の市川にもあるようで、チャンスがあったら行ってみたいです。

おわり。