アートの冬2011 Vol.4 「20世紀のポスター [タイポグラフィ] -デザインのちから、文字のちから- @ 東京都庭園美術館

 だいぶ前の話ですが、「20世紀のポスター [タイポグラフィ]展」を観に行ってきました。

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 タイポグラフィ好きな自分としては、現代にもデザインにも通ずる今展覧会のポスターアートは商品や展覧会のポスターなので身近な分、親近感があります。作品は20世紀のポスターが年代を追って、およそ100点ほど展示されていました。

 タイポグラフィとは、言い換えれば…文字アート?と言えばいいのか。芸術といえば芸術だけど、大きいくくりにすれば、現代のポスターは何かしら文字を配置して、たまに装飾してを少なからず行っているので、全部タイポグラフィを取り入れているとも言えます。だから逆に身近なアートなので、とても興味深かったです。 

 資料を他から引っ張ってくるのはアレなので、絵の写真は無いのですが、個人的に気になったのは、マックス・フーバーの作品。ポップな色使い、躍動感のあるタイポグラフィがとても自分好みで好きでした。スポーティ。という表現が合ってるかどうかわからないけど、そんな感じ。

 それから、アンディ・ウォーホルの作品もいくつかありました。ウォーホル自体はキャンベルスープの缶やヴェルベット・アンダーグラウンドのバナナのジャケ写(写真じゃなく、絵だけど)などなどが有名ですけど、その作品の中で、「第5回ニューヨーク映画祭」という作品が別の観点からすごい気になった作品でした。このガラのTシャツ売ってたら絶対買うのに・・・。

 そしてウェス・ウィルソン。誰もがどっかで見たことある作品。「サイケデリック」という言葉そのもののタイポグラフィ。何だか、クスリをキめちゃった人が見たような映像にも見えなくもない・・・。好きかどうかと言われたら、そうでもないんですけど(^^;)気になった作品。

 このどれらも全く作風は異なっていて、文字そのものをアートとして取り込んでいます。今はそういうことはほぼパソコンでおこなっていますが、昔はそれをパソコン無しで取り組んでいたなんて・・・頭が下がります。

 パソコンを使うことによってこれからのタイポグラフィはもっと複雑になっていくのか、シンプルになっていくのか、制作スピードが速まるだけで単に消費されてしまうスピードが増すだけなのかわかりませんが、現代のこういったポスター、タイポグラフィが自分がじいさんになる頃にはどう評価されているのか・・・と考えると、アートというものは時代によって評価が変化するので難しいもんなんだろうなと思います。自分は表現者ではないのでわかりませんが、ウォーホルがいったいどんな気持ちでキャンベルスープの缶を描いたのか・・・自分がこの世にいなくなっても、いつまでもその作品が残っていくというのは、表現者の醍醐味かもしれません。男の夢のひとつでもあると思います。・・・ちょっとタイポグラフィとは論点がずれました。

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 この展覧会の場所は、目黒にある東京都庭園美術館。とても瀟洒なたたずまいです。1933年に建てられた旧皇室の旧浅香宮邸の建物ということで、アールデコ調の洋館。建物全体が贅を尽くされた装飾で、これだけでも充分見る価値があります。

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入り口には狛犬もいました。そこだけ和風。

 館内のアールデコ調の部屋の中に現代のポスターが並ぶのは、何だかミスマッチな感じもしますが、赤絨毯の敷かれた階段を登ったり降りたりしながら、百点近い作品をじっくり眺めました。

 建物自体がアシンメトリーに出来ていて、外観上はとても個性的で、かつ見栄えのよい建物。でも建物内はまるで迷路な感じでした。「バイオハザード」の中に出てくる洋館が一番イメージが近いです・・・あんまりいい表現ではないけど。

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この辺は西側。円形の部屋もあり、中庭もあり。上の写真と色がずいぶん違うのは、撮影したカメラの違いです。

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 そして、「庭園美術館」だけあって、園内もとても素敵な庭園でした。

 ただ自分があまり植物について知識が無いのと、冬だったのであまりお花が咲いてなかったので、それについての情報はないんですけど(^^;)

 3月27日までだったので、もう終わってしまいましたが、あまり普段観ることのできない作品をいろいろ見れてよかったです。


おわり。