「世界侵略:ロサンゼルス決戦」  こんな映画を観た:40

Bla72

 この映画は4月の公開予定だったが、311の影響で9月に公開が延期になりました。確かに宇宙人に破壊し尽くされたLAの街並みはそれを彷彿とさせるかもしれない。

 主人公は退役を控えたナンツ2等軍曹。もう今日明日にでも退役という時にこの宇宙人の侵略に遭遇する。オマエの力も必要だと呼び戻される。そしてナンツが所属する隊員たちの私生活がひととおり説明的に続く。結婚式を控えている隊員、もうすぐ子どもが生まれる隊員。まだVIRGINの隊員もいたり、隊員一人一人にも家族があり、生活があるんだよと。うがった見方をすれば、「いろいろなシチュエーションがあれば、この隊員の誰かに感情移入できるかな?」と。

 感想から言うと、海兵隊はどんな敵でも決して引かないんだぞ!退却NO!米軍バンザイ! な映画に感じた。ことあるごとに「退却NO!」の合言葉の掛け声が隊の中で上がる。休憩もほとんどせずに敵に向かってゆく。負傷した仲間は決して見捨てず、極めつけはナンツが部下の名前・階級・識別番号を全て記憶していて暗唱しているシーン。決して仲間は見捨てないんだぞと。うーむ。

 アクションシーンはしっかりしている。手持ちカメラがほとんどで、臨場感は出ているのを感じた。爆破シーンや廃墟になったLAのシーンもしかり。その辺はハリウッド映画はやっぱりすごい。

 このテの宇宙人侵略映画は昔からあるけれど、宇宙人の目的も強さもさまざま。今回の宇宙人の目的は、どうやら水資源を狙っているよう。劇中でも説明してくれているので親切。そして強さは、ぜんぜん死なないのかと思いきや、そうでもない感じ。特別強いわけではない。途中宇宙人の弱点が明らかになったり(その後それが生かされてるとは思えなかったけど)、不死身で何度でも甦るわけでもないみたい。でもとにかく統制がとれていて的確に人間を攻撃してくると。火力はまあまあ強力。宇宙人も負傷した仲間をひきずって退却しているのには笑った。

 この映画を観て、当のアメリカ人は「やっぱ米軍は強いな、安心」と思う人や「オレも海兵隊に入ろう!」と思う若者が出てくるのだろうか。軍隊も(便宜上)無いし、徴兵制も無い日本にずっと住んでいる生粋の日本人の私からすると何だかなぁ~・・・違和感。

 2011年の映画。