「クロユリ団地」 こんな映画を観た:90
孤独という恐怖
ざっくりストーリー
二宮明日香(前田あっちゃん)とその家族は、とある理由で「クロユリ団地」に引っ越してくる。
その団地はいわくつきで・・・
感想
あんまりホラー映画は得意ではないけれど、観てみました。
まずあっちゃん一家がクロユリ団地へ引っ越してくる所から始まる。なんかカメラアングルが不自然。そして不可思議なてんどんの朝食シーン。
あっちゃんが学校へ行き、新しい仲間と自己紹介がてら連絡先を交換し合うシーンでまず、仲間はスマホなのにあっちゃん一人だけ携帯で。その仲間のスマホから聞こえた音はたぶんLINEの着信音。なんとなく格差、周りから取り残されている感が出ている。
何気なく通りがかった公園では、子どもが一人で遊んでいる。毎回同じ格好。公園には誰かしら遊んでいそうなのに誰もいない。
どれもこれもあっちゃんの周りは不自然なことばかり。そして謎の隣人の行動も後から思えば理由のある行動なのかもと。隅々まで隙がなくストーリーに必要な要素が散りばめられている。それが一つにまとまってクライマックスに向けて集束していく。そっか、あの時のアレはこういうことだったのかの連続。うまく作られた映画だ。ビジュアル的に怖さを誘うよりは、周りの空気からじわじわ怖さが伝わってくるような感じ。
前田敦子さんの恐怖感の演技はすばらしい。過呼吸の演技はAKB時代に観ていた光景でドキっとした。後半にいくに従って徐々に取り憑かれた感、ダークな雰囲気になってゆく様は見事。そして劇中ほぼ出ずっぱりでがんばっていた。
というわけで丁寧に作られたいい映画だなぁ〜と感じました。怖いけど。
2013年の映画。