「上京ものがたり」 こんな映画を観た:101

落ちて上がってまた落ちてそして

Jyokyo01

ざっくりストーリー

 上京して美大で絵を学ぶ主人公ががんばるお話。西原理恵子の自伝的ストーリー。西原さんの人生はかなりパンクでハードなので映画化にはもってこい(?)

感想

 原作は未読ですが西原さんの別の本を読んで感銘を受け、観てみようと思い立った。

 主人公(北乃きい、以下きいちゃん)は、自分の絵の才能を信じ、上京して美大に入学するが、美大の中ではテンでダメで、生活費もカツカツ。

 だもんで稼ぎのいいキャバクラで働くことになり、いろんな人間関係を学び、そのバイト先で知り合った男が完璧なヒモで、きいちゃんの家に転がりこんで…な話。途中できいちゃんの過去、田舎の港町での風景、父親が出てきたりの回想、空想と現実の東京での話と行ったり来たり。

 主人公役の北乃きいちゃんが美しくない。これはどうしたんだ。ちょっとした濡れ場もあるけれど、変顔を見せられるだけ。好意的に解釈するなら、たぶん女優さんのキラキラオーラはこの映画には必要ないんではないかと。キャバクラで働く周りの女優さんたちも地味。わざと場末感を出しているように感じる。つくづく女優さんたちに失礼な意見ですいません。

 何度も、多摩モノレールがバックの土手のシーンがあり、長い橋をチャリで渡るきいちゃんのシーンが差し込まれる。退屈な日常という意味だろうか。モノレールが見える風景は珍しい。

 場所場所で主人公にアドバイスする人たちが印象的。

 大学の優等生のコ、後で調べたら水谷豊&伊藤蘭夫妻の娘さんだった。

 キャバクラバイト仲間の瀬戸朝香さん&娘役の谷花音ちゃん。

 売れっ子作家役の小沢真珠さん。

 借家の隣のセクシーお姉さん。

 あとカメオ出演の西原さん本人。が一番パンチが効いている。

 そしてヒモくん。こいつは、この作品を観る前はもっと腹が立つかと思っていたが、思ったよりイライラしなかった。現実離れしてはいるが、わりとまともなことを言っていた。完璧なるヒモであることには変わりないけれど、なぜそういう人生を選んだかも劇中で語られる。

 人生はうまくいかない。チャンスをつかんでもまたすぐに逃げる時もある。金を稼ぐのは大変だ。自分に降り掛かった惨事を他人のせいにしてはいけない。この監督は何を伝えたかったのか。といろいろ考える。

 西原さんの人生はとても勉強になる。生き様としてとてもマネのできるものではないが、人生を生き抜くために必要なことを教えてくれる。

2013年の映画。

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