「かぐや姫の物語」  こんな映画を観た:113

絵のタッチがすばらしいな。

Kaguya01

ざっくりストーリー

 竹取物語のアニメーション映画化です。高畑勲監督作品。

感想

 日本人なら誰でも知っている「竹取物語」の映画化、それだけならスルーだけど、ジブリの巨匠:高畑監督作品ということで、きっと何か強い思いがあるんだろうと思い、観に行きました。

 まず、絵のタッチが素晴らしいです。事前に作画風景を取材したTV番組を見ていましたが、Photoshop?の作業で、筆タッチのパスの中に色を塗りつぶす作業は通常と比べ、パスが繋がってないので、いわゆる「塗りつぶしツール」が使えないし、「塗り」の部分もわざと余白を残したり、半端ない労力がかかってます。アナログをデジタルで再現するのは大変だ。昔話を表現するのであれば、このやわらかタッチが最適なんじゃないだろうか。よくあるアニメーションのタッチだったらもっと評価は変わっていただろう。

 ストーリーに関しては誰でも知ってる内容で、まさかそのまんまとは思わなかった。だけどかぐや姫の心情は細かに描かれている。何かを悟って感情的にバーっとなり、それが過ぎるとすごいおとなしくなる。という流れが何度かあったけど、ある種欧米的で今風かな。あと、夢オチも多かった。

 月の世界は最高で、地球に落ちる=島流し的なポジションの内容。でもかぐや姫は地球で過ごしていくうちに地球の、人間の素晴らしさを発見して、でも人間の黒い部分も発見して荒れて、結局月に帰らねばならないという話。

 あと、ととさま役の地井さんの声がすばらしかった。去年亡くなってるのに映画として残っているのがなんだか不思議な感じだけど、収録はだいぶ前にやっていたよう。

 気になったのが、ポスターのサブタイトル。竹取物語に物語に新しい目線を放り込んだぜヒャッハーと思ってるかもしれないけど、逆にこれがノイズになって物語に集中できなかった。サブタイトルなんていらない。タイトルだけでじゅうぶんでしょ。

2013年の映画。

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