「春を背負って」 こんな映画を観た:134

 立山連峰の山小屋を営む男が、突然亡くなる。その息子は東京でデイトレーダーとして働いていたが、急遽その山小屋を引き継ぐことに。木村大作監督作品。木村さんっつったら映画カメラマンのイメージしかないが。

 主人公はマツケン君演じる亨。最初のシーンは亨が子ども時代の山小屋までの登山のシーン。亨は子供の頃からこういう親子関係、家庭でしたよと説明な感じ。現代に戻って、今はデイトレーダーとして働いている。ずいぶん極端な立ち位置の表現方法だな。

 突然、父親が遭難で無くなり、とりあえず富山の実家である母親の経営する旅館に戻ることに。蒼井優さん演じる出路が不明の愛という女性が父親や母親を手伝っていた。そして山小屋ではトヨエツさん演じるゴロさんというこれまた謎の男が手伝いに来る。

 ストーリー的のヤマ場は、誰かが遭難してそれを助けるという山映画ではありがちな展開。とにかく山小屋まで向かうのが大変だなぁというのが印象。山小屋への荷物を運ぶのに30キロ以上ある荷物をしょって攀じる。このへんの大変さの説得力はとても伝わってくる。とにかく登山風景がリアルに感じられる。そして立山連峰のロングショットがとにかく美しい。これだけでも観る価値がある。逆にこれは劇場で観ないと。これがカメラマンあがりの木村監督ならではないだろうか。

 話の流れとしてはこんなに昭和な感じなのも珍しい。そしてラストのあれはいかがなもんか。

2014年の映画。

 

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