「タイタンの戦い」 こんな映画を観た:17

ギリシャ神話のお話。


 神々の王ゼウスと人間の間に生まれたペルセウスが、神々の暴挙に耐えかねて、神に対して反抗するというお話。

 アルゴス国の王は、神々に対して反抗的。ゼウスの兄である、冥界の王ハデスは、神々を冒瀆した人間をこらしめるために、大海獣クラーケン甦らせ、アルゴス国をつぶすという。それを阻止するために半神半人のペルセウスと仲間たちが冒険に出るというストーリー。

 じゃあどうやってクラーケンを倒すの?という所でやはり半神半人(?)の女性イオがどこからともなく現れ、倒す方法は、グライアイ三姉妹(目が三人で1個しかない、こわぁい三姉妹というかヤマンバ的な三人)が知っているという。まずそのグライアイ三姉妹へ会いに仲間と一緒に旅立つ。

 その途中で巨大サソリに襲われたり、謎の民族が現れたり、などがあり、そしてグライアイ三姉妹から情報を聞き出すと、クラーケンを倒すには、メドゥーサの首が必要だということがわかる。

  メデゥーサが住んでいるのは地獄。さあ、ペルセウスたちはメデゥーサの首を手に入れ、クラーケンを倒すことができるのか・・・。

 物語はシンプルな冒険活劇。

 スピーディーに話がトントン進んでゆく。巨大サソリとの戦いでまず序盤の見せ場を作る。BGMのリズムに合わせてサソリが攻撃してきたりとか、ストップモーションが入ったりとか、アクションシーンも今風で芸が細かい。BGMもオーケストラ+エレキギターのエッジの効いたサウンド。今って、映画音楽=オーケストラというわけでもないんですね。

 そして、メデューサ編、クラーケン編とおおまかに分かれていてわかりやすい。そして合い間に追っ手が入り、ちょっとストーリーの味付けを。ゼウスもときどき現れてペルセウスに手助けする。神々に反抗してるはずなのに、なんだかなぁという感じのゼウスの気配り(笑)

 メデューサと言えば、目が合うと石になってしまうという、割と知られた特徴を、ペルセウスはどうやって退治するのか。クラーケンは「巨大なタコ」ってイメージがあったけど、あれはどうなの?って思いましたが・・・。あと、ペガサスも出てきましたが、若干違和感が・・・。ハリポタの方が違和感なかったような気が。と言っても空想上の生き物に違和感もなんもないでしょうけど。ツッコミ所はありますが。

 それでも、自分の中ではファンタジー物は「ロード・オブ・ザ・リング」以来、若干食傷気味でしたが、この映画は「娯楽映画(観てスカッとする映画)」の役割をちゃんと果たしています。とても気楽に観れました。

役者もイイ感じ。

 個性豊かな仲間たち(人間じゃないのもいたり)と一緒に戦っていくので、仲間との熱い友情があり、いつのまにか旅についてきた(一緒に旅に行くと宣言してないのに、いつのまにか仲間になって一緒に歩いてる不思議さ(笑))イオとのラブロマンスや、なによりもペルセウス役のサム・ワージントンのガッシリした肉体といかついけど親しみのある顔、そして熱い演技(と言っても吹き替えで観ましたが(笑))、「ザ☆男」って感じ。これがまた映画を引き立てる。イケメンとは違いますが、観客を惹きつける魅力。

 俳優もなかなかいい人がそろってる。その主人公ペルセウスはサム“アバター”ワーシントン。ゼウス役は、リーアム“スターウォーズEP1のクワイ=ガン・ジン”ニーソン。ハーデス役はレイフ“ハリーポッターのヴォルデモート”ファインズ。(“”内は役者の代表作)  監督はルイ・レテリエ。(トランスポーター、インクレディブル・ハルクなど)

余談。

 余談ですが、ゼウスたち神々の衣装がよくある衣をまとった衣装でなく、鎧っぽい衣装だった。ギリシャ神話で、鎧でっつったら、日本のコミック「聖闘士聖矢(せいんとせいや)」だし、何だかそれっぽいな~とずっと思いながら観てて、帰ってきて調べてみたら、この監督が「聖闘士聖矢」の大ファンで、聖矢のオマージュでゼウスたちが鎧(聖矢でいうところの「聖衣(クロス)」ぽいのをまとっているそう。あ~納得。こんなところに日本のアニメが影響をしてたとは、びっくり。それを知らずに観てて、本当にそうだったとわかったときの自分にびっくり。そういう方向に私の思考を持っていった製作側にびっくり。まあ、だいぶ前のアニメ・コミックなので、今の若者は知らんでしょうが・・・。ゼウスのクロス・・・じゃなく衣装が何だかCGでキラキラしてたのは、さながら「黄金聖衣(ゴールドクロス)」だな。 オマージュは衣装だけで、必殺技を出したりとかはなく(笑)ちゃんとしたギリシャ神話に基づいたストーリーです。

2010年の映画。