「生誕150周年 アルフォンス・ミュシャ展」 in 高崎市美術館 / 高崎市タワー美術館 その2

 第一会場の高崎美術館を見た後、第二会場の高崎市タワー美術館へ。

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途中のY電機本社前のデッキにはでっかい案内板が。

 展示作品数が多いので、似たサイズの美術館が2館も、しかも歩いて行ける距離にあるなんてすばらしいです。見る側としても、一気に見るより一旦休憩が挟めるので、見るテンションが保てます。

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普通のビルの入り口ですが、美術館が内蔵されています。

 タワー美術館は地上22階の全体が展示室・・・ではなく、3階と4階が美術館となっております。

 こちらはパリ時代の続きと、アメリカ時代とチェコ時代を主に展示しておりました。

 3階じゃなく、4階が入口。なんだかややこしい( ̄~ ̄)

 その4階は作品がガラス張りの中に展示されている。作品から遠い(- -;)・・・3階は普通に展示されておりました(^ ^)

  まず4階はパリ時代の続き、「黄道十二宮」、「ショコラ・マッソン」「ショコラ・メキシカン」を始めとするカレンダー作品から、「主の祈り」シリーズ、「メディア」などがあり、そしてアメリカ時代、「真福八端」シリーズ、「レスリー・カーター」などがあり、

 そして3階に下りると、「クオ・ヴァディス」と、チェコ時代の作品が展示されていました。

 こちらで気になったのは「主の祈り」かな。

 この作品はキリスト教の「マタイの福音書」=こう祈りなさいよという見本書的なもの?をミュシャがアレンジした作品で1:装飾ページ、2:テキストページ、3:挿絵ページ  が1セットでそれが7組あります。

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左上の絵が装飾ページ、右下が挿絵ページ。手持ちの書籍より。

 装飾ページの一部の隙もない緻密なデザイン。これが7組それぞれ違う。そして挿絵ページの同じアーティストが書いたとは思えない荘厳なモノクロの挿絵。宗教的なことはよくわかりませんが、とにかくすごい。

 今回は2のテキストページは展示されていませんでした。これはこれでミュシャスタイルバリバリの作品のようだったので、是非見たかったな~手持ちの本で一部は見れたけど。

 ポスター作品はいっぱい印刷されましたが、この作品はミュシャの意向により限られた部数しか印刷されなかったようです。それだけミュシャの思い入れがある作品とういうことです。

 あとからこれがミュシャの代表作の一つだと知りましたが、いいな~と思った自分の感性が他の人とブレてなくてちょっとほっとした。


 そして、チェコ時代の油絵。

 こちらに高崎美術館で展示されていた「ハーモニー」の下絵が展示されてました。「下絵」というものが「作品」としての能力があるのかどうかわかりませんが、別々に展示されているのはどうなの?と思いました。できれば並べて比較して観たい・・・。

 その中で、タイトルを忘れてしまったが、少女を描いた油絵がものすごくキました。なんというか、「奥行感(おくゆきかん)」がものすごい。たぶん前回も観たはずなのに。その絵の前に立った瞬間。うわーーと思ってしまった。肝心なタイトル忘れんなよ自分(T-T)

 4Fにあった「白い象の伝説」の挿絵のモノクロの絵もそうでしたが、ミュシャの絵画は奥行の表現がものすごい。他の画家はよく知らないので比較対象がないんですけど・・・すごいんです。こういうときもっとボキャブラリーがあればいいのにと思う(T-T)

 いくつか女性を描いた油絵を観ましたが、スラブ人の女性って、みんな丸顔というか四角顔なのかな?ほぼ同じような顔立ちでした。ミュシャの好みなのか、スラブ民族の平均的な顔がこんな感じなのか。

 そしてシメは、プラハ市民会館市長ホールの原画の数々。もうこの頃にはだいぶくたびれてきてしまっていました・・・どんだけ体力ないんだ自分(-_-;)

 先の高崎美術館もこの高崎タワー美術館も、各所各所にフカフカのベンチが置いてあり、休んで見るにはちょうどよいです。ひさびさに「当たり!」な美術展でした。

 会期は2010年9月18日(土)~11月7日(日)です。

おわり。