「スカイライン -征服-」 こんな映画を観た:31

 よくある宇宙からの侵略モノのSFではある。このテの映画はさんざん観てきてはいるけど、VFXが凄そうだから観てみることに。

 結論から言うと、割り切って観てしまえば楽しめる映画。

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 何で宇宙人が侵略しに来たのかわからんけど。一般人の目線からのストーリーなので、当たり前だろう。捕獲方法も特に説明されない。そして宇宙人に対する米軍の攻撃などの全体像がほんとに情報が少ない。でも実際に普通に宇宙人が侵略に来たら(できれば来てほしくないけど)、いちいち「オマエタチ、チキュウジンヲ、ホカクスル」とか宣言なんぞせずに国土を蹂躙していくだろう。

 ヒーローは存在しないので、その種のカタルシスはほとんどない。そういう映画ではないから特に気にしない。主人公が特にヘナチョコですぐパニクってしまうけど、宇宙人に襲われたらまあそうだろう。一緒にいたポッチャリのオッサンの方がよっぽど男らしかった。あのシーンの壁面に飾られた日本兵のイラストを見たのは、なんだかおかしかった。

 低予算映画ということで、屋外のカットが数えるほどしかなく、それをストーリーに組み込んでいった感じ。マンションにムリヤリ閉じ込めようとする雰囲気のストーリーがなんとも・・・まあ、シナリオは自分たちで組んでるんだからどうにでもなるんでしょうけど。

 侵略してくる宇宙人はいろいろバリエーションがあって楽しかった。巨大宇宙船から巨人エイリアン、魚型からタコ型までバリエーションが豊富。しかも日の光の下での宇宙人のVFXはなかなか見ごたえがあった。魚型エイリアンがゆうらりとマンションの外を泳いでいたり、巨人がマンションの庭をずかずか歩いていたり。宇宙船もメカっぽいというより、有機的。どっかで見たようなデザインではあるけれど、動きは秀逸。

 そして米軍との空中戦シーンでは、米軍側は無人戦闘機が活躍。人間では考えられないようなGの旋回だが、無人機ならOK。その分空中アクションが楽しい。なんで無人機がメインなのかな~と思ったら納得。あの爆弾では人間ではだめだよね。無人戦争が主になると、兵器もえげつなくなるのかな・・・。

その後も日中の空に戦闘機とエイリアンの戦闘機がビュンビュン飛び交っていたり、ダイソン掃除機ばりに宇宙船が人間を吸い上げたり、いろいろVFXはみどころいっぱい。

 それを主人公たちが望遠鏡を使って見ているのだが、冒頭にちゃんと望遠鏡の前振りがあるのであんまし違和感はない。そして望遠鏡からの遠景ショットもいろいろ見れて楽しい。一般人が急に力が目覚めてエイリアンをバッタバッタなぎ倒すわけではないから、遠くから見てるしかない。

 

 ただ、あの主人公のエイリアンとのバトルはおかしかった。そしてあのラストは、思わず口をあんぐりとあけてしまった。こんなにビックリする展開は今まで観たことない。良くも悪くも。

 主演はエリック・バルフォー。「24 -TWENTY FOUR-」に出ていたのが印象深い。監督はグレッグ&コリン・ストラウス兄弟。「AVP2」の監督や、2人が設立したVFXの会社、Hydraulxは2012、アバターなどいろいろな映画を手掛けている。

 ということで、壮大なものも、ヒーローものも、感動ものも求めることはできないけれど、VFX的には自分はちゃんと楽しめた、娯楽映画。

 2011の映画。