「X-MEN:ファースト ジェネレーション」 こんな映画を観た:32

 過去4作品出たシリーズものの、その過去に焦点を当てた作品。

 まず観た感想としては、とても良質なSF映画を観たという感じ。鑑賞後感もさわやか。登場人物の心理描写からミュータントとしての能力のめざめ、VFXやミュータント同士の対決、時代の事件などとの組み合わせなど、見所もいっぱい。

 ストーリー

 のちのX-MEN(いいもん)のリーダー:プロフェッサーX(劇中の名前はチャールズ)と、BROTHERFOOD(わるもん)のリーダー:マグニートー(劇中の名前はエリック)はかつて親友だった。

 その親友だった若いころの二人を軸に展開される、彼らが仲間として共に悪と戦っていた時代、1960年代がこの映画のストーリー。

 以下見どころとその感想。

 まずエリック。人間に母親を殺され、能力を開発されるために拷問され、とにかく人間に恨みを持ち、大人になってからもかつて拷問した者たちに復習するために世界を飛び回る。

 チャールズは良家に生まれ、いい大学も出て、パブで女の子をナンパしたりとか、人間には恨みはない。

 この二人の対比がわかりやすく、のちの展開へのバックボーンとなっている。

 一方、悪者たちはミュータントとしての能力をすでに開発しきっており、特にリーダーのショウのミュータント能力はすごい。たいてい善悪ものって、悪もん側の方がいいモン側より能力が高い。今回もほぼ無敵な能力のショウをどうやっつけるのかがひとつのポイント。

 チャールズ&エリックたちも、仲間を集め、若いミュータントたちを訓練してゆく。エリックのコーチングで仲間の能力が花開いていくさまがよい。特にエリックの能力を引き出してゆく部分。「怒りと平静の間」が一番能力が発揮できるという…という表現が気になった。あれを観て「冷静と情熱のあいだ」が思い浮かんだ人は私だけではないはず(笑)

 そして悪モンとのバトルシーン。それぞれ似た能力や、ぜんぜん違う能力同士のマッチアップがやはり見どころ。エリックたちは若手なのでまだ能力がうまく発揮できない中、もうベテランな悪モンミュータントとの格闘が楽しい。そしてエリックが敵の潜水艦を引き上げたり、ミサイルを追い返したりなどのVFXがすばらしい。重量感タップリ。

 またウルヴァリンカメオ出演もあったり、なぜプロフェッサーXは車椅子に乗っているのか、なぜマグニートーはメットをかぶっているのか。などの秘密もわかる。そしてチャールズ=プロフェッサーXがつるっぱげになる暗示もおもしろい(笑)

 2011年の映画。