「ゲット・ラウド ジ・エッジ、ジミー・ペイジ、ジャック・ホワイト×ライフ×ギター」 こんな映画を観た:36
三世代のギタリストがとある場所に集う。
1970年代を代表するギタリスト:ジミー・ペイジ(レッド・ツェッペリン)
1980年代を代表するギタリスト:ジ・エッジ(U2)
1990年代以降を代表するギタリスト:ジャック・ホワイト(ホワイト・ストライプス)
この映画は3人のルーツを辿りながら、そして3人がスタジオに集まり、奇跡のトークとジャムセッションをおこなうという、ギター好き、ギタリスト好き、ロック好き、そしてこの3人が大好きのかたがたのための映画。何という企画!
ギター(ここではエレキギターのこと。エレキと呼ぶのはダサイ感じがして。)はギタリストが100人いれば100種類の弾きかた、音色があり、ギターのボディの形もみんな違う。そこにギタリストの個性が表れる、他の楽器にはない独特の魅力がある。
念のため書いておくと、私の知識レベルは、ジミー・ペイジ(=レッド・ツェッペリン)はそこそこ。アルバムは一応全部持っている。リアルタイムのファンではないため、ライブはPAGE&PLANTのツアーに行ったことあるくらい。ブログのタイトルは見てのとおり(笑)
ジ・エッジ(U2)はベストアルバムを持っているくらいで曲はほとんどわからない。ジャック・ホワイト(ホワイト・ストライプス)は名前は知っているがもっとほとんどわからない。なので映画の内容がペイジ寄りになってしまうことをご容赦くださいm(_ _)mちなみに六本木ヒルズで観てきました~午前中のヒルズはおだやかだね~(-ω-)♪
で映画の感想。
冒頭でいきなり「Ramble On」のイントロを弾くジミーペイジ!そしてギターさばき、ピックさばきを間近で追いかけるアングル。これはたまらん(^_^)
この映画とは全く関係ないけれど、私のHN:ランブロンはLed Zeppelinのこの曲「Ramble On」からいただいている。だから冒頭でこのリフを聴いて頭に電撃が落ちた。なんという偶然!
物語は、ロック、エレキギターの黎明期から現在に至るまでをそれぞれのギタリストの視点から追いかける。
ジミー・ペイジはイギリスへ赴く。ZEPを結成する前のジミーは、当時の時代はスキッフルというジャンルが流行。セッションギタリストや、映画音楽の挿入・・・だったか、など名前が出てこない活動をしていたが、客前でライブがやりたいため、行動を起こす。そういう土台があったのね。Yardbirdsは知っていたけど、それ以前はあんまし知らなかった。今や白髪でなんだかギター仙人みたいな風貌になってますけど、当時はすらっとしてカッチョイイ!
場面は変わり、ヘドリイ・グランジという洋館ではWhen The Levee Breakes や Stairway To Heaven の秘話を披露。Levee Breakesはこの吹き抜けのホールで録音したんだよ、とか。確かにあのドラムは今までに聴いたことない衝撃だったな。また、館の入り口の門の傍らに座り、マンドリンでThe Battle Of Evermoreを弾いてたり、ファンにはたまらん構成。ジミーはそういうイギリス郊外の緑多き風景がよく似合う。
三人でのトークの時には、おもむろにレスポールでWhole Lotta Loveのリフを弾いて二人をニヤニヤさせたり・・・きっと観客もニヤニヤしてたはず(笑)ダンエレクトロを弾いたり(Black Dog弾いて欲しかったな~)、例のギブソンのダブルネックギターは俺がギブソンに頼んだんだよ。とか。
ジ・エッジは故郷アイルランド・ダブリンへ。学生時代から不動のメンバーであるU2。故郷の浜辺ででかいアンプを置いてギターを弾いていたのが印象的。そしてエフェクターの解説が興味深かった。Where The Street Have No Name のイントロのリフの話とかね。ジミーと比べてリフの曲調が年代の違いを感じる。ジミーの方がクラシカルなロックというか。ジ・エッジはエフェクター入れまくって、まさにキラキラした80年代という感じ(意味不明) それにしてもジ・エッジの機材はものすんごい量だ・・・。そしてニット帽が似合う(笑)
ジャックはアメリカの故郷へ。ロックのルーツのひとつであるブルースミュージックの話を、御大2名よりも貪欲にギターのルーツを辿っている感じがする。生まれた時からすでにあった「ロック」というジャンルのルーツ。おどろおどろしい怨念を感じさせるようなブルースミュージシャンたち。それにならうかのように取り憑かれたかのようにライブで弾いているジャック。
対談場面では、誰もがビビる超ビッグネームのギタリスト2人を前に、わくわくと共に、目をギラギラさせていた。ボッコボコのお気に入りのギターや、特注で作らせたマイクが仕込んであるギターを作ったり、ライブ中に手を怪我しながら弾いた、血染めの3ハムのギターがあったり。「貪欲」という言葉がピッタリ。
三人でのセッションでは「In My Time Of Dying」のイントロを弾いたり・・・あの三人してボトルネックをギュイーンと合わせるのはたまらんね~(^_^)
そして、別の場面でギターを構えながら譜面台を見ながら「ここはGでD行ったあと(と言うジミー)・・・(実際に弾いてみるジャック)・・・そうそう(と言うジミー)」的なセッションの相談をしている所が印象的。中にまざりたい!(ギター弾けないけど(^_^;))あと、ジミーがテルミンをちょこっと演奏したり。キレのあるテルミンさばき!
ロックというジャンルを打ち立て、ロックギタリストの存在を世に知らしめたジミー。
それをさらに巨大化させ、確固たるものとしたジ・エッジ。
月日は経ち、ロックという音楽のいちジャンルが音楽の最先端から退いてゆく中で貪欲に自分の道を追い求めるジャック。
みんな共通して言えるのが、自分の道にブレがないということ。「これだ」とやりたいことが決まっていて、常にギラギラしている。決して妥協をしない。そこが事を成す人間がそうでないかの別れ道なんではないかと思った。
2011年の映画。(アメリカ公開は2009年)