読書の秋2011 Vol.1 「The ARRIVAL」
話題の文字のない絵本「アライバル」。オーストラリアの作家:ショーン・タン氏の作品、買いました。読みました。
自分は輸入版を選びました。日本版は高いしそもそも言葉がない本なので日本版である必要はなかろうと。
・・・後日、書店で日本版を見かけました。装丁は洋書版に光沢のあるブックカバーで「アライバル」とカタカナで入っており、カバーをめくると下記の装丁の表紙がやはり「アライバル」と記載されており、製本からして日本製のようです。中身の紙質はだいたい同じ。内容は文字無しなので当然全く同じ。
この本に限って言うと、光沢のあるカバーでゴージャス感を出さず、凹凸のあるくたびれた古書感を出した方が雰囲気が出るのではないかと思います。好みにもよりますし、ケースバイケースですが。
・・・で、古書のような凝った装丁。表面も凹凸があり、中のページも古書のようなくたびれたりのような焼け跡のような印刷になっており、雰囲気は抜群。まず読む前に所有感を存分に満たしてくれます。サイズはA4ノートくらいです。
本当に一切文字がありません。カラーもモノクロ、もしくはセピア調のみ。内容は自分で推測するしかありません。とはいえ緻密な絵でコマが進み、何が起こっているかは容易に理解できます。
どこかのパラレルワールドに住む家族。ある日、街を離れ旅立つことに。その別れと出会いが主なストーリー。
独特の世界観の風景。
この世界にもいろんな人たちが住んでいます。どこかの民族を模しているようで、どこの民族も模していない。アジア人のようでもあり、ヨーロッパ人のようでもあり。独特な形状をした動物も出てきます。
ページをめくる度にその世界に吸い込まれていくような感覚。自分にとって「いい本」の条件がまさにそれです。
読後感は、すばらしい本を読んだ時と全く一緒。とてもあったかいストーリーです。
おわり。