「百万円と苦虫女」 こんな映画を観た・・・お家で:4

 劇場で観た映画しか感想を書かなかったけど、お家で観た映画も気が向いたら感想を書くことにしたシリーズ第4回。

 今回はitunes store でお家レンタルしてみました。200円とは安い!48時間しか観れないけど。

百万円と苦虫女

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 主人公:鈴子(蒼井優)は短大を卒業したけれど就職できず、バイトをしながら自宅で暮らしている。とあるトラブルに巻き込まれ、罰金刑に処され留置所から出所したところから映画は始まる。

 なんにもうまくいかない鈴子、勢いで自宅を出て行くことに。百万円貯まったら自宅を出て、また百万円貯まったら次の土地へ引っ越すという計画を立てる。一方、弟のたかし(小学生)は成績は優秀だが悪ガキ3人組に学校でいじめられている。親にも先生にも言えず過ごしている。映画であることはわかっているけれど、リアルでホントにかわいそうだ。そんなキョウダイを軸にしたストーリー。

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 まず感想、当たり前なんだけど、やはり人は人と関わらずには生きてはいけないんだなと。デラシネのような生き方はムリ。歯を食いしばって現実と向き合い、逃げずに生きてゆかねばならぬと教えられた気がする。

 自分の居場所を探すために住む土地を移るのではなく、なるべくデタッチメントな指向で生きようとする鈴子。生きるのに不器用なところが非常に共感できる。

 それでも周囲は放おっておかず、ナンパされたり、勝手にキャンペーンガールに仕立てあげられそうになったり。でもその度に拒否し続ける。よくあることだけど、TVでも映画でも基本ポジティブで、負けるな!ガンガン前に進め!なストーリーが多いのに、基本ネガティブな感じがいい。そういう人いるよ。ポジティブな人ががんばるストーリーは、人によっては正直まぶしすぎて、うざったい面もある。鈴子はネガティブなりに頑張るという姿勢が共感する。

 海→山→街と2時間ながらテンポよくストーリーが展開するので観てて飽きない。

 ハイライトである街のシークエンスでは、森山未來君扮するバイトの先輩といい仲に。でも鈴子のルールではまた次の土地に移らねばならない。本人の口から鈴子の秘密を知ってしまった未来君は、とある行動をとる。それがまた地味な作戦で、オマエ何やってんだよ〜な行動。でも、それにはちゃんと理由があった。

 ラストはあれでよかったんだと自分は思う。ひたすら映画全体に流れるテーマからするとあれが妥当だ。

 姉ちゃんのとある光景を見て自分も逃げないんだと誓った弟、そんな弟のことに気づき、自分もがんばろうと思った姉。

 自分探しではない。逃げたくてもできない、自分はイヤでもここにいる。という鈴子の言葉が印象的。

 関係ないけど、ロケ地が自分も行ったことある土地だったので、それはそれで共感持てた(笑)

2008年の映画。