「ものすごくうるさくて、ありえないほど近い」  こんな映画を観た:48

 世の中に911文学というジャンルが出来ているというのを初めて知りました。その911文学の金字塔と称される書籍の映画化。

Muac117

 斜に構えた見方になるけれど、911事件で家族を亡くした人たちの心を再生してゆく物語なのだろうと。それが大大大前提なんだろうと思いながら劇場へ向かいました。

 結果的にそういうことになり、そして311後の日本にも共通する部分が多いと思う。不意の事故は誰も悪くない、自分を責める必要はないんだよと。いろんな人と関わりあって、前に進んで行かねばならないんだよと。それ以上でも以下でもない。

 大好きな父親を911事件で亡くした少年、なんとなく言動がハチャメチャな感じがするのはきっと少年時代特有のウザさと、そうしてないと心がバラバラになってしまうんだろう・・・と思ったらアスペルガー症候群という設定らしい。にしてもその特有のウザさが自分にはなじめなかった。でもこの子役の演技は見事だ。喋れない老人とのやりとりが特に。そして父親の残した留守電のメッセージのくだりは胸に詰まる。

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 今回、予告編ではU2の「Where The Streets Have No Name」が流れていたが、本編では一切使われていなかった。

 U2ファンではないけれど、予告編だけに使うような、そういう使い方はやめて欲しい。

2012年の映画。