「DOCUMENTARY of AKB48 Show must go on 少女たちは傷つきながら、夢を見る」 こんな映画を観た:51

 AKB48のメンバーたちの2011年の活動を追ったドキュメンタリー映画。ほんわかアイドル映画ではなく、かなりハードな内容でした。

Akb48

 まず、自分のAKBさんに対する知識は、主要メンバーと主な曲はわかる程度。おおむね好意を持って見てはいます(笑)特に推しメンはいません。

 で、感想ですが、まず積極的に追いかけていないライト派の自分としては、2011年の活動をざっくり知ることができてよかったなと、そして事前情報よりも思った以上にエグい内容だと感じました。

 メンバーの中ではやっぱり、前田さん、大島さん、たかみなさんのこのトライアングルのバランス、団結力はすごいと感じました。

 急激に大きくなってゆくAKB。ファンが増えると同時にいろんな目も増える中、全ての注目を一手に引き受ける不動のセンター:前田さん。

 いろいろと物議を醸している総選挙で今回は2位になった大島さん。「得票数はファンのみなさんの、私たちへの愛です」と笑顔で言い切る。全方向的な愛らしさを振りまく彼女はまた前田さんと違った魅力がある。前田さんも大島さんがいるからこそ輝けるのではと思いました。

 そして何十人といるメンバーをとりまとめる、いつも元気なタカミナさん。小さい身体に大きなパワーを秘め、全力でいつも走っています。舞台裏の映像もずっと撮影されていましたが、あんだけの人数をまとめるのは相当大変でしょう。

 ハイライトは、真夏の西武ドームでのスリーデイズのライブ。メンバーはみんな忙しくリハもままならない状態のままスタート。大人数なのでドタバタなのは言うまでもなく、そして舞台裏はおそらく灼熱地獄。そんな中で熱中症でバタバタ倒れていくメンバーたち。

 特にセンターの前田さんは出番もプレッシャーも多く、熱中症になり過呼吸になり超グロッキー状態。そんな中「フラゲ」の曲の前の話。他の曲で代役はともかく、「フラゲ」のイントロではセンターの前田さんは欠かせない。曲が始まるまで他のメンバーが間をつないで、ギリギリ直前になって曲に間に合う。

 (公式映像が見当たらなかったのでPVで)

 このイントロで前田さんだけ立ち上がる様は、ゴールドの衣装も相まって神々しささえ感じる。直前までフラフラだったのにステージに立つとバーンとキメる前田さん。うおーこれがアイドルなのか!

 そして2011年の出来事を描くのに避けては通れない311の話。被災地にメンバーの何人かが定期的訪れているのは知っていましたが、奇跡の一本松を見に行くくだりは若干演出過多かもとも思いました。何度も被災地を訪れてて、それだけでもすごいと思いますよ。

 この映画を観て、ファンのみなさんは「よし、もっと応援しよう!」と思う人も多いはず、そしてAKBになりたい!と思っていた女の子たちは「うわあ…アイドルって結構大変。」と思う人がいるかも(笑)

 その他、チーム4の謹慎問題など、あえてネガティブな内容や舞台裏を見せることで逆に共感を集める結果になるのがこの目的の映画なのかもと思いました。舞台裏もずっと撮影されているのか〜とか、西武ドームではスタッフ側ももうちっとダンドリとってた方がいいんじゃね?とも思うかもしれませんが、わりと客観的に映画は作られててよかったです。PV的な映画ではなく、ドキュメンタリー映画として見応えありました。

 期待に応えてプレッシャーを跳ね返して、人は成長するもんだと思いますが、あそこまでしてアイドルでいたいモチベーションは何なのか、振り返って自分の生きるモチベーションは何なのかなどを考えながら観ていました。

2012年の映画。