「るろうに剣心」 こんな映画を観た:68

「人を守るとはどういうことか」

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ざっくりストーリー

 主人公は、幕末に「人斬り抜刀斎」と恐れられた伝説の剣客、緋村剣心。それから10年後、時は明治時代になり「不殺(ころさず)」の誓いを立て、日本各地を流浪の旅をしている。

 その剣心をとりまく人たちと、不殺の誓いを守ろうとする剣心の葛藤を描いた映画。

 大ヒットコミックの初の実写映画化。剣心は佐藤健さん。薫は武井咲さん。斉藤一は江口さん、その他香川照之さん、吉川晃司さんなど有名役者揃い。

 私は原作は昔読んだっきりで、ぼんやりしか覚えてません。

感想

 時代劇ものとして、「殺陣」のおもしろさは結構味わえた。スピーディーな動きや刀が火花が散ったり、ワイヤーアクション使ったりと見所は多かった。でもせっかくだから殺陣のシーンはもっと昼間のシーンでやってほしい。暗いところばっかでよく見えなかった。なんで暗いところでばっかりなのか。

 ときおり過去の記憶がフラッシュバックしてストーリーも盛りたてたり、理由付けをしたりもちゃんとおこなっていた。なんで人斬り抜刀斎になったのか。何で人斬りをやめたのかも短く的確に説明されていた。それから他の主要人物もさらっとバックボーンの説明がされていて、物語に入り込みやすかった。これは脚本の技術なのかな。

 ヒーローもののよくあるパターンとして、強力な力を持った主人公は必ず周りが放おっておかず、強力なライバルや、騒動に周囲の仲間が巻き込まれたりするが、やはりこの映画もそうで、自分が強いばっかりに仲間が巻き込まれて、なかなか本人は覚醒しないという流れは定番なのか。スパイダーマンとかバットマンとか。

 「人斬り」をやめて10年がたち、剣客としての腕がなまっている剣心に対して、斉藤一や悪役の鵜堂はずっと前線にいたので最初は圧倒される剣心。結局自分が強くないと仲間も守れない。でも不殺の誓いをどう守るのか。

 薫役の咲ちゃんも、恵役の蒼井優ちゃんも蹴られたり殴られたり土にまみれたり階段から蹴落とされたりなど、女子なのに結構ハードに扱われるシーンが多く、レディーとはいえ容赦しないリアルな感じがした。

役者さんの話。

 剣心役の健君は意外とマッチしてました。でも「おろ!?」は、マンガ内ならともかく、実写だとものすごい違和感が…そんなこと言うやつぁいないだろ(笑)赤い羽織の衣装が途中から出てきて、おお!原作の剣心に近い!と思った。

 薫役の咲ちゃんはこれまたマッチしてました。シャープな感じがよい。薫の肌が浅黒かったのは時代に即してメイクされたのかな?

 斉藤一役の江口さんはもっと鋭いダークな感じの人の方が良かった気もするけど悪くない。斉藤一の上司役が斉藤洋介さんなのは「斉藤」オマージュ?(笑)今回、殺陣での出番が少なくて物足りない感じがした。牙突がもっとちゃんと見たかったな。

 原作コミックはまだまだ魅力的な悪役がいっぱい出てくるので、次回作を期待したい。

2012年の映画。