「人生の特等席」(字幕)  こんな映画を観た:76

普通に観ると父娘映画なんだろうけど、

Curve01

ざっくりストーリー。

 野球のスカウトマンの仕事一途の頑固ジジイの父親と、早くに母親を亡くした娘。あんまり良好な関係とは言えない父娘のお話。

感想

 普通に観ると、父親と娘がいがみ合ってたのが徐々に打ち解けてゆく話だけど、

 スカウトマンとしての父親の「カン」重視主義と、ライバルのスカウトマンの現場を見ないデータ主義との善悪の対比がベタではあるけどもわかりやすく、

 劇中ずっと追いかけている主軸の有望選手もわかりやすいくらいダメダメ感出てるし、ピーナッツボーイのくだりも今考えるとわかりやすいネタ振りだし、

 ラストも若干ムリクリ感はあるけど、チョー気持ちいカタルシスがあるあたりはなんというか、まっとうなシンプルな作りの映画なんだなぁと思った。

 弁護士である娘が劇中のほとんどで BlackBerry Boldをいじってたけど、あれは日々仕事に追われている窮屈な日常のメタファーで、ラストでそこからの開放も暗示してるようで、 BlackBerry Boldに憧れてる私としては複雑(笑)

 またアメリカの田舎の風景は美しく観ていて癒される。金属バットのキーンという音がリアル。クリント・イーストウッドの頑固じいさんぶりはもう職人芸な感じだし、ジャスティン・ティンバーレイクのチャラ男感ももうすでに職人芸な感じ(笑)、でもだんだん味が出てきた。途中のダンスシーンはイン・シンク時代を彷彿とさせた(?)、エイミー・アダムスさんはチャーミング。

 原題は邦題の「人生の特等席」とは大きく異なり、「The trouble with the curve」…超大雑把に訳すと「カーブに難あり」で、最後まで見てると「あーそういうことか!」と思ったけど、監督自身は父娘関係を中心に描きたかったとどっかのインタビューで述べていたみたいだから、カーブは「人生の曲がり角」ともとらえることができるのかな?映画のタイトルは重要だし大変だね。

2012年の映画。