「タイピスト!」(字幕) こんな映画を観た:106

かわいいフレンチポップスポ根映画

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ざっくりストーリー

 1950年代のフランス。当時の女性の花形職業であった秘書(の仕事のメイン部分はタイピスト)を目指し、田舎から出てきたとある女性:ローズのサクセスストーリー。

感想

 田舎から出てきたローズはルイが経営する一人保険屋の秘書の面接へ。そこで得意の一本指タイプを披露。髪を振り乱し上気顔でブラチラしながらのタイピング。この辺でルイはローズに心を撃ち抜かれてしまったのだろうか。ローズを雇うことに。

 ドジっ子のローズは秘書業はあんまりうまくこなせない。ルイは1週間でクビにしてしまうが、タイピング大会に出場するよう持ちかけられる。ルイはローズのタイピングの才能に一目置いていた。この辺のルイの動機がいまいち伝わってこないけど。ルイに野望があるとも思えないし。

 だが大会であっさり敗退してしまったローズは、次回の大会に向け、ルイの豪邸に住み込みで特訓を受けることに。まずは5本指タイプへの矯正から。そもそも自分はタイプライターは1本指タイプがデフォルトだと思っていたので、当時から5本指タイプがあったのに驚いた。

 大会への訓練シーンから地方大会へ。と同時になかなかもどかしい感じで二人の関係も進んでゆく。。。。

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  上の写真のようにタイプライター型のかわいいパンフレットや、この宣伝用のポスター広告等はピンク、ブラウン、ミントブルーなど、パステルカラーを貴重にしたレトロポップな雰囲気だけど、

 それと対をなすのがタイプライター。タイプ音が銃撃音みたいで爽快感があって心地良い。ダダダダッ!と打ったあとのガショーンと改行で銃弾を装填するような感覚。タイピング大会の緊張感張り詰める雰囲気。ふんわりした50年代の雰囲気とのギャップがいいね。昔は昔でおしゃれなもんだ。

 それにしても出演者は相当タイプの訓練を受けた感が感じられる。今のキーボードみたいにパームレストも無いし常にひじから先を浮かせなきゃで、肩凝りそう。指を高く上げ打鍵の躍動感を高めたり、小指をピーンと伸ばし、第一関節だけ曲げてタイプするなんて相当訓練しないとできないぞ。

 今更感のある昔の話を、うまいこと映画化したのは見事だと思う。この時代に映画のネタを探すなんて大変だろうけど、まだまだいろんなアイデアがあるもんだ。明らかに女子向け作品だけど、男子にも見どころはある。

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 それからストーリーとは関係ないけど、驚いたのが見たこともないキーボードの配列。後で調べたらAZERTY配列というフランス語向けの配列があるみたいで、初めて知った。今もフラ ンス語圏ではAZERTY配列のキーボードがポピュラーなのかわからないけど、

 QWERTY配列にせず、当時の時代背景もあったろうけど、AZERTY配列になっているのが、アメリカ映画に対抗するフランス映画の矜持といったところか。でもオープニングタイトル中のアニメーションのキーボードの絵が出てきた時はQWERTY配列だったぞ。その辺徹底してもらわんと(笑)

2013年の映画。

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