ミュシャ展 <<スラヴ叙事詩>> 2017 @  国立新美術館

 ミュシャ展を観に、国立新美術館へ。

 (記事を書きかけでホッタラカシにしてたら、会期は終わってしまったけど、会期中にわずかですが2回行きました。)

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 前回ミュシャ展行った時は、六本木ヒルズだったかな。

 正直、ミュシャ展はしょっちゅう開催されているので(リトグラフ中心だからかな)、若干食傷気味でしたが、今回はなんと「スラブ叙事詩」の全作品を展示すると。半年以上前から楽しみにしてました。

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 本来であれば「スラブ叙事詩」は、油絵なので1点ものだし、巨大な作品なので輸送もなかなか大変。なのでチェコプラハまで行かなければ観ることはできない作品でしたが、なんと生きてるうちに日本で観られるとは。(この後、中国、韓国等を巡回するみたい?)この機会を逃したらたぶん一生観られないでしょう。日本に生まれてよかったーーーー!

 事前に電子チケットは購入済みだけど、日曜の午前中から少々並んでの入場。檀れいさん&三宅健太さんのナレーションの音声ガイドも購入しました。音声ガイド520円はわりと良心的だと思うけど、端末自体は長めの電気バリカンといった長さ。もう少し小さくならないかな?笑

 入ってすぐにスラブ叙事詩の作品群から展示は始まる。もうその瞬間から作品の大きさに圧倒される。今まで見たことないサイズの作品が何点も、一気に視界に入ってくる。すごい。来てよかった。とにかく人が多いけど、作品がデカいのでそんなに気にはならない。とにかく人が多かったけど。

 スラブ叙事詩は、そのバックグラウンドを知らないと深く感動できなんだろうけど、その大きな作品の前に立つだけで、100年近く前にミュシャが描いたパワーを浴びているような。

 実際、チェコ及びスラブ民族は、土地柄、周囲の国々の脅威に常に晒されていたんだろう。島国日本ではあまり想像ができないが、ミュシャの祖国、民族に対する思いは強かったんだろう。決して他の民族を排斥するのではく、俺達はこうなんだと、ミュシャの後半生の全てを捧げて描いた作品たち。

 奥側の展示室は、なんと撮影可。事前に情報は掴んでいたので、ミラーレスのデジカメを持ち込んでいたので、ここぞとばかり撮りまくる。日本ではそんなことありえないので、この大英断に感謝。

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 写真で見ると、ものすごい人の数だけど(実際多いんだけれども)、絵のサイズがデカいのでそんなに苦にはならなかった。撮影OKだったのは、、、

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「イヴァンチツェの兄弟学校」

 1578年のイヴァンチツェ(ミュシャの故郷)が舞台。

 左下の、若者、若い頃のミュシャをモデルとした人物がこちらをじっと見つめる。

 このこちらをじっと見つめる市井の人が描かれてる作品が多いのがスラヴ叙事詩の特長のひとつ。

 わりと穏やかな風景画的な作品。

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「聖アトス山」

 上中下段のレイヤー構造がすごい。この下部と上部で現実と幻想を同時に描く手法も他の作品で多々見受けられる。なんかのアニメみたいだ。(いや、今のアニメの元祖がミュシャだろうけど)

 あとから知ったけど、この作品は95年頃に一度、日本に来たことあるみたい。全然しらなんだ。

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「スラヴ菩提樹の下でおこなわれる オムラジナ会の誓い」

 左の、ミュシャの娘ヤロスラヴァをモデルにした少女と、右の息子イジーをモデルとした少年が対比的な作品。

 後ろ左右の集団が、作品を描いていた時期(1926頃)のナチス・ドイツの敬礼とかぶってしまったため、その他も理由があるみたいだけど、あえて未完とした作品だそう。

 シンメトリーで穏やかな感じが良い。

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「ロシアの農奴制廃止」

 20作の中で唯一、パトロンの要請によって描かれた作品だそう。

 急にロシアだもんねぇ。。。

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「スラヴ民族の賛歌」

 スラブ民族の歴史を色分けし、1つのキャンバスに落とし込んだ作品。

 これだけ要素がいっぱい詰まってるのにバランスよく仕上げるのがミュシャの技術力なんではないかと。トリにふさわしい作品だった。

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 どれも人がいないように撮ってるけど、実際はこんなふうに人がひしめいてた⇣

 でもあえて人を入れて撮ることにより、どんだけ作品が大きいかよくわかる。

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  スラブ叙事詩の展示室のあと、それ以外の作品は、そんなに多さを感じなかったけど、サラ・ベルナール関連、四芸術、四つの花の作品群、ラ・ナチュールやウミロフ・ミラーなどの工芸品など抜け目なく並んでた。この辺はおなじみの堺のドイコレクションだった。

 プラハ市民会館の天井絵と、三角の部分の作品群は、扇状に各作品が並び、実際に展示されているような雰囲気があった。ただ平面に並べられているだけの時は観たことあるけど、(展示物によって壁を造作するのはなかなかできなけど)、よく練られて展示されている。この天井絵の本物は本当にプラハまで行かないと観られないから、次の目標はプラハかな 笑

 また次のコーナーでは、「同胞のスラヴ」という水上舞台劇の素描があった。結局嵐に見舞われてほとんど実現しなかったみたいだけど、今だったらシルクドソレイユあたりが船上で屋外舞台劇をやるような感じかな。そんなことが実現しようとされていたとは。初めて観ました。プラハ市立美術館所蔵。

 最後の展示コーナーでは、「主の祈り」や育児書「優しい母たちへのスラヴィア」があった。「主の祈り」は相変わらずガラスケースの外からの鑑賞。「優しい母たちへ、、、」は初めて観ました。こんな仕事もやってたのね。大きさは日本の母子手帳とそんなに変わらないけれど、こんなステキな育児書があるとは。

 やはりガラスケースの中の展示だったけど、ずっと止まって食い入るように観てたら、後ろの列がすごいことになってた^^;  ていうか、律儀に行列に並んで順番に観ていかなくてもいいと思うんだけど。その辺、日本人てマジメというかアレだなと思う。好きな順番で観ればいいじゃんか。自分も日本人だけど。この育児書を含めたいくつかの作品が、「OGATAコレクション」だった。あまり知らなかったけれど、この尾形さんもドイさんみたいにミュシャ収集家のかたらしい。ネットで調べた。笑

 ひととおり見まわってからまたスラブ叙事詩の方に戻ったり往復したりして過ごしました。いやー楽しかった。

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 そしてその後は物販コーナーへ。相変わらず行列がすごい。ミュシャ作品は物販映え?するからグッズもいろんなもんが出ている。

 まず公式カタログ。(重いからアマちゃんで買ったけど笑)ミュシャ展のカタログは買ったことないけど、スラブ叙事詩1点1点の解説もちゃんとされており、これは読みごたえがある。買ってよかった。

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 スラヴ叙事詩のポストカード、ミニメモ。ポストカードは20枚買ってもアレなので、抜粋して買った。ミニメモは中も少しデザインされてる。

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 チケットケースとしおりとミニメモ。チケットケースはミュシャ展行くたびに買ってる気がするけど、今回はスラヴ叙事詩バージョンだったのでまた買った。

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 それから大人気のマステ。夢想と十二宮とモナコとJOBといろいろの柄。もったいなくて使えない。というかこれはどこに使えばいいのかな、、、?

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 スラヴ叙事詩はまた日本に来ることはあるのだろうか。それまでがんばって生きよう。

おわり。

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